環境改善施策用語等

水質総量規制

東京湾、伊勢湾、瀬戸内海など人口や産業が集中して汚濁が著しい広域的閉鎖性海域で、有機性の汚水や窒素、りんの排出総量を計画的に抑制する制度。
内閣総理大臣が定めた基本方針に基づいて都府県ごとに知事が計画を定め、発生源別の削減目標量および削減方法を明示することとなっている。第5次水質総量規制の実施に伴い、2001年からは対象物質として化学的酸素要求量(COD)の他に新たに窒素及びりんが追加された。
対策としては、下水道などの生活排水処理施設整備、工場・事業場に対する総量規制基準の適切な運用、環境保全型農業の推進、合流式下水道の改善などがあげられている。

環境基準・類型とは

人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで維持することが望ましい行政上の目標として設定された基準で、当該水域の利用状況等により水域類型が指定され、類型ごとに基準値が定められています。

暫定目標値とは

全窒素を削減するための各種対策を行ったうえで、水質の将来予測を行い段階的に暫定目標値を定め、この目標を達成しつつ環境基準の速やかな達成に努めるもので、概ね5年ごとに見直しを行っています。

瀬戸内海環境保全特別措置法

瀬戸内海の環境の保全を目的とする法律。(通称:瀬戸内法)瀬戸内海環境計画の策定、環境保全上支障の生じる恐れのある排水施設の設置の規制、総量規制の実施、公有水面の埋め立てにあたっての特別な配慮、自然海浜保全地区の指定などが規定されています。
1974年に前身の瀬戸内海環境保全臨時措置法が時限法として制定されましたが、その後、1978年に改正され、名称も改めた恒久法となりました。
政府による瀬戸内海の水質保全等環境保全基本計画・策定、関係府県知事による環境保全府県計画の策定、府県知事による特定施設の設置許可、水質汚濁防止法に基づく総量削減基本方針の策定及びこれに基づく汚濁負荷量の総量の削減、環境大臣による富栄養化被害発生防止のための関係府県知事に対する指定物質(りん、窒素など)削減指定方針の策定指示、関係府県による自然海浜保全地区の指定、環境保全のための事業の促進等が定められています。

自然海浜保全地区

瀬戸内海に残された自然海浜の保全とその下での海水浴等のレクリエーション利用を図るため、関係各府県が「瀬戸内海環境保全特別措置法」に基づく自然海浜保全地区条例により指定した海浜の保全地区。「砂浜、岩礁その他これに類する自然の状態が維持されている地域」および「海水浴、潮干狩り、その他これらに類する用に利用されており、将来にわたってその利用が適当であると認められる地域」が指定され、指定されると工作物の新築等に関して届け出が必要となります。

大阪湾再生行動計画

都市再生プロジェクト(第三次決定 平成13年12月)に「海の再生」が位置付けられたことを契機とし、平成15年6月26日の都市再生本部会合において「『大阪湾再生推進会議』を設立して大阪湾再生に取り組む予定」とされた。
これを受けて、平成15年7月28日、関係省庁及び関係地方公共団体等が「大阪湾再生推進会議」を設置し、平成16年3月に『大阪湾再生行動計画』が取りまとめられました。具体的な内容は「(1)大阪湾再生に向けての湾全体の目標の設定。(2)湾奥部を中心とした重点エリア・アピールポイント等の設定。(3)目標達成のための陸域負荷削減策、海域における環境改善対策及びモニタリング(監視)の実施。」などの関連施策及びその計画的な推進について明らかにするものとしています。

深掘り対策

三大湾や瀬戸内海等では、過去に埋立用材やコンクリート骨材として土砂採取がなされた結果、現在では大規模な深掘り跡等が海底に点在しており、その一部は貧酸素水隗の発生の一因となっています。この問題を解消するため、深掘り跡等を埋め戻すことについての地域の要請が高まっています。
なお、中央環境審議会等においても「これら深掘り跡等を浚渫土砂等を活用して埋め戻すことにより、海域の環境改善を推進すべき」との答申が出されています。